よどみなく、はきはきとした語り口に自然と引き込まれてしまった。

 今春、褒章を受章した那珂川町消防団長の荒井諭(あらいさとし)さん(64)=同町健武=に、消防団員となって40年間の歩みを聞いた。

 消火に3日を要した施設火災、近隣消防団の応援を得た行方不明者の懸命な捜索。仕事との両立に悩みながらも、常に突然訪れる有事に正面からぶつかってきた。「自分たちの地域を自分たちで守る」。その消防団の心意気に、改めて頭が下がった。

 「火を消すばかりが消防団じゃない。過疎化が進む中、地元に残る俺たちが力を合わせ、町をもり立てなきゃ。団の活動を通じ、そんな機運を培ってきた」

 そんな古里を支えるプライドに触れ、心地よくなった。この地域に暮らす多くの人が同じ思いを共有しているのでは、とメモを取りながら想像した。

 荒井さんのように、「おらがまちを良くしたい」と願う人と数多く出会い、それぞれの情熱を紙面で伝えたい。この春に6年ぶりの支局勤務となり、そうした思いを強くしている。