いじめで精神的な苦痛を受けたのは教員らが適切な対応を怠ったためとして、栃木県下野市の中学校に通っていた当時中学2年の女子生徒が、市に対し約1286万円の損害賠償を求め宇都宮地裁栃木支部に提訴したことが22日、分かった。いじめ被害は2019年9月から20年3月までの間で、教員らのせいで、いじめが長期化、重大化したとしている。提訴は4月21日付。

 訴状によると、女子生徒は19年11月、部活動の複数の部員からラインのグループで「キモいんだよ」「これで終わりだと思うなよ」「私たちはぶっ潰す」「タヒんで」(「死んで」の意味)などの投稿を受けた。

 教室に通学できず、学校の別室にいた女子生徒の元に加害側とされる部員が連日嫌がらせに訪れ、女子生徒は校内で逃げたり、校外で追い回されたりした。

 担任や部活顧問ら学校側は、加害側のラインに対して十分な指導をしない一方、女子生徒には「いじめの言いふらしにより加害生徒が苦しんでいる」と主張。女子生徒と加害側の部員6人を対面させた上で、女子生徒が6人に謝罪するよう強要した。

 さらに、女子生徒にいじめられる原因があるかのように関係保護者に説明したり、加害部員の保護者には、いじめではないと公言したりしたとしている。

 原告代理人の石田弘太郎(いしだこうたろう)弁護士によると、市教委が諮問した市いじめ問題専門委員会は、加害側の行為の一部をいじめと認定したという。石田弁護士は「学校は極めて稚拙で、いじめへの正しい対応から逸脱している」と非難する。女子生徒は今年2月に心的外傷後ストレス障害(PTSD)、うつ状態と診断された。 市は下野新聞社の取材に対し「係争中で答えられない。法廷で主張を明らかにしたい」と答えた。