6月上旬の記者会見で副市長2人制復活について説明する津久井市長

 大田原市で副市長2人制が8年ぶりに復活した。津久井富雄(つくいとみお)市長(68)は副市長を1人に減らすことを選挙公約に掲げて初当選した経緯があり、人事政策の大きな転換だ。当時は市議会の理解が得られず、副市長ポストが一時空席になるなど紆余(うよ)曲折があったが、今回は6月定例市議会で増員の人事案が全会一致で可決された。方針転換の背景を探った。

 8年前、市長選を戦った2人が議場で向き合った。

 6月15日の市議会一般質問。3月に3選を果たした津久井市長に対し、前市長の千保一夫(せんぼかずお)市議(75)は「まさか議場でお祝いの言葉を申し上げる時が来るとは思わなかった」と実感を込めて語り、こう続けた。「副市長2人制復活を評価する。やっと3人のトップマネジメント体制が整った」

 ■市長選の争点■

 2人制は、6選を狙った千保氏と津久井氏との主要な争点の一つだった。「市政刷新」を掲げる津久井氏は、マニフェスト(公約集)に行財政改革の柱として副市長の1人減員を盛り込み、当選後も「真っ先に取り組む」と意欲を示した。

 その後8年間貫いてきた象徴的な政策をなぜ変えたのか。取材に津久井氏は「3選後、仕事の総仕上げのためにどうすべきかを考え、決断した」と話す。