豪雨時に水田に雨水をため、河川の増水を防いで氾濫被害を軽減する「田んぼダム」は県内全25市町のうち、4市2町で1100ヘクタール整備されたことが20日までに、各市町への取材で分かった。県内も出水期を迎える中、相次ぐ豪雨災害を教訓に、被害を少しでも減らすツールとして、市町と土地改良区などが連携し整備が進む一方、実績はまだ一部。流域で広く取り組むことが効果的で、改良区からは「県域で一体的に進める必要がある」との指摘が上がっている。

 2015年の関東・東北豪雨を受け、県内でいち早く整備が進んだ小山市内では、思川西部土地改良区が旗振り役となって17年に事業に着手。市と連携した4土地改良区が19年度末までに、約264万トンを貯水できる883ヘクタールを整備した。県内で突出した数字だ。

 宇都宮市は19年の台風19号を踏まえ策定した「総合治水・雨水対策推進計画」に田んぼダム整備を盛り込んだ。

【ズーム】田んぼダム 水田の排水口に流量を絞る弁を取り付けた「調整ます」などの装置を取り付け、雨水を一時的にためられるようにする取り組み。豪雨時に雨水を河川に流れにくくし、主に下流域での氾濫被害軽減が期待できる。流域住民が一体的に進める治水対策として国が推進している「流域治水」の取り組みの一つ。