使途不明金の対応を協議するため理事会に向かう真岡市土地改良区の理事ら=11日午後、真岡市八條

 真岡市土地改良区(真岡市田町、小菅保(こすげたもつ)理事長、組合員約3千人)で組合員の賦課金(負担金)や事業経費の余剰金など計6千万円超が使途不明になっていることが分かり、栃木県が特別検査を実施したことが17日、複数の関係者への取材で分かった。経理担当職員らは不正への関与を否定しているという。同改良区は内部調査では限界があるとして弁護士に調査を依頼し、刑事・民事上の責任追及を視野に入れる一方、県は再発防止に向けた業務改善計画の提出を求める。

 関係者によると、同改良区は2009年4月、旧真岡市と旧二宮町の合併に伴い旧市内にあった10地区の土地改良区が合併して発足した。合併前は、運営管理費の経常賦課金や農地整備といった事業を行う際に徴収する特別賦課金などを10改良区がそれぞれ担当者を置き、会計処理していたが、合併後は真岡市土地改良区の事務局が各地区の預金通帳や印鑑、定期証書を一括管理した上で地区別に処理しているという。

 ところが決裁なしで出金されているケースや、残高のある会計から内部監査を受ける別の会計に入金して残高があるように装っていたことなどが発覚。同改良区の使途不明金が約9千万円に上ったことから今年2月下旬に県に相談し、県は3月に特別検査を実施した。同改良区も調査委員会を設置し関係帳簿類の精査や経理担当職員らの聞き取りなどを進め、現時点で6千万円超と判断した。

 同改良区は不正経理の原因や詳細な経緯、実行行為者が個人なのか組織的なのかなどを特定するため弁護士に調査を依頼する。近く臨時総代会を開き、現状の報告や今後の対応について説明し理解を求める方針。

 小菅理事長(74)は「多額の使途不明金があるのは事実だが、総代会前なので詳しいことは言えない。法的な対応は弁護士と相談して決める」と話している。

 県内の土地改良区を巡っては、1991年に旧西方村(現栃木市)の土地改良区で約7千万円の使途不明金が発覚した事件があったほか、2005年には塩谷町内の土地改良区で公金数百万円が流用される問題が起きた。

 【ズーム】土地改良区 田畑や農道の整備、農業用水利施設の維持管理といった土地改良事業を目的に、土地改良法に基づき都道府県によって設立認可された法人。農地の耕作者や所有者が組合員となり、運営に必要な経費は組合員が納める賦課金や自治体の助成金が充てられる。県農政部によると、栃木県の土地改良区は4月1日現在で104団体。