県内の高齢者向け優先接種の状況(10日時点)

 栃木県は14日、県内25市町別の高齢者向け新型コロナウイルスワクチン接種状況を公表した。10日時点で1回目の接種率が最も高いのは茂木町の55・81%、最も低いのは壬生町の6・27%で、市町間の格差が顕著になった。県全体の接種率は1回目が21・26%、2回目は3・37%だった。本県は接種率が全国でも低く、現在は多くの市町が集団接種に力を入れている。県は16日に大規模接種会場を開設して市町を支援し、政府が目標とする「7月末までの完了」を目指す。

 県内の高齢者向け接種は、4月12日の宇都宮市を皮切りに始まった。今月10日時点で、対象となる高齢者55万5063人のうち11万8006人が1回目の接種を終えている。

 1回目の接種率が50%を超えたのは茂木町と真岡市。茂木町は、当初予定より集団接種の実施日や枠を拡充した。週5日で平日約150人、日曜日は約430人の接種が可能な態勢を整えた。町の担当者は「予約を締め切ることなく取り続け、ワクチン供給に合わせて集団接種へ案内できたことが奏功したのだろう。1回目の予約率も8割を超えており、7月末完了は可能だ」と話した。

 真岡市は2回目の接種率が17・81%と県内で最も高い。芳賀郡市医師会などの協力を得て円滑に接種を進めている。1回目の接種が40%を超えたのは那須、塩谷、市貝の3町。7市町が30%台で、13市町が30%未満だった。

 1回目接種が最も低かった壬生町は、施設入所者を優先し一般の高齢者接種の開始が6月1日と遅かったためと説明。集団接種も6日に始まったばかりで、町担当者は「1日最大600人のペースでスムーズに進んでいる。このまま努力するのみだ」と話す。高齢者人口が13万人超と規模の大きい宇都宮市は、壬生町に次いで低い6・57%だった。

 県は「市町間の無用な競争を生みかねない」として、市町別の接種実績を明らかにしていなかったが、「県民の関心が高い」として公表に踏み切った。接種を担う自治体からは「比べられるのは負担」「人口規模など条件が異なる中で比較することに意味があるのか」などと戸惑いの声も上がっている。

 県感染症対策課は「無理に接種率を上げようという意図はなく、細やかな情報提供で県民の安心につなげたい」としている。