新型コロナウイルス禍でマスクを毎日付けるようになり、1年以上。口元がマスクで隠される分、目元の表情を豊かにして、よりよい意思疎通ができるよう心掛けている。

 不自由さがある中、「ここまで思いが目に表れるのか」と感じ入った瞬間があった。3月末に本県で行われた東京五輪の聖火リレーだ。

 当時、写真映像部記者としてリレーの代表撮影を2日間担当した。本県ランナー全191人のうち、13~104歳の67人が走る姿を先行車に乗って、自ら走って撮影。人物写真の命といえる目元を追い続けた。

 実施まで曲折があったとはいえ、一生に一度の大舞台。ランナーのトーチを持つ喜び、重責からの緊張、はにかみ、あふれんばかりの感情が目の中で次々と弾ける様子を、レンズ越しに見て胸が熱くなった。

 4月にデスクとなった。総支局から届く原稿と写真で、さまざまな人の目元の表情を感じ取るのが楽しみになっている。記者が見詰めた現場の表情を、余すことなく紙面で伝えたい。