宇都宮市は10日、60~64歳の市民への新型コロナウイルスワクチン接種について、基礎疾患のある人と同時並行で行い、今月下旬に接種券を発送すると発表した。7月中旬にも始める。その後、市独自の優先枠として小中学校の教職員や保育士、訪問介護の従事者らを対象に接種を行う。59歳以下については、企業などで行う職域接種の状況を見極めながら検討する。
同日開いた市新型コロナウイルスワクチン接種実施本部会議で決定した。64歳以下の接種を加速するため「新たなワクチン接種促進班」も同日設置し、既存の「ワクチン接種推進班」と合わせて約30人体制で対応する。
基礎疾患のある人のうち、59歳以下は接種券を受け取るために自ら申請する必要がある。市は6月14日から申請を受け付ける。対象となる基礎疾患や申請方法は市ホームページに掲載する。60歳以上の市民と障害者手帳所有者は申請不要。
対象者は接種券が届き次第、予約できる。65歳以上の高齢者と同様、医療機関での個別接種と地区市民センターなどでの集団接種で行う。60歳以上への接種は、現在進行中の高齢者の予約状況に応じて、早ければ7月中旬にも始まる。
このほか市独自の優先枠として、小中学校の教職員や保育士ら、訪問介護などを行う在宅サービス事業所の従事者を指定。学校や保育園、高齢者施設などでのクラスター(感染者集団)を防ぐ狙いで、60歳以上の市民らに次いで接種を受けられるように準備する。
国の方針で当初、基礎疾患者と共に優先接種の対象となっていた高齢者施設の従事者には、すでに接種を始めているという。
65歳以上の高齢者への1回目の接種率は10日時点で3割を超えた。佐藤栄一(さとうえいいち)市長は「個別接種の予約枠拡大や集団接種を拡充するとともに、7月11日以後の予約者にも予約の前倒しを勧めるなど、接種を加速していく」などとするコメントを発表した。