2年前の東京大入学式の祝辞で社会に横行する性差別に言及し、時の人となったのがジェンダー研究の先駆者で東大名誉教授の上野千鶴子(うえのちづこ)さんだ。以来、講演依頼が高校から、とりわけ女子高から増えたという▼北関東の公立女子高での質疑応答などを基に「女の子はどう生きるか」(岩波書店)を出版したと新刊案内にあった。全国で約30校まで減った公立女子高は栃木、群馬、埼玉の3県に集中。来年度、本県はさらに2校減って4校となる▼どこで講演したのか各校のホームページをのぞく中で、群馬県立館林女子高が全学年で開講する「館女(かんじょ)の女性学」に目が止まった。高校生で女性学とは珍しい▼世界における日本のジェンダー・ギャップ指数は156カ国中120位。「女の子だから」「女の子なのに」。日本には無意識の偏見と差別が色濃く残る▼それをただもやもやと感じて生きるのではなく、ジェンダー平等の視点で社会のさまざまな課題を見つめ、自ら解決しようとする力を養うという。学校側の意欲がにじむ▼ジェンダー問題を学ぶのは男子にとっても大切だ。ただ、別学の是非は別にして当面、女子高は存続する。ならば本県でも女子高ならではの学びがあっていい。上野さんは自著を「10代の『ワタシ』のための女性学」と紹介した。それを地で行く授業である。