取材者としての「あるべき姿」を考えさせられた。1日のバスケットボールBリーグチャンピオンシップ(CS)決勝第3戦後の記者会見の一幕だ。

 「天皇杯、CSの決勝で敗れて終わった。何が自分に足りなかったと思うか」。宇都宮ブレックスの比江島慎(ひえじままこと)に対し、報道陣から質問があった。

 ブレックスの選手に同様の問いが続き、おのおのが自責の念を語った直後だった。この試合、比江島は終盤に退場している。それは、チームの中心選手への“追い打ち”のようにも映った。

 言いよどみ、うつむく比江島。それを制し安斎竜三(あんざいりゅうぞう)監督がマイクを取った。「マコに足りないことはない。僕の采配の問題だ」。その目に親心とともに憤りの色が宿ったように見えた。一瞬、会場に緊張が走った。

 スポーツには勝敗がある。そして取材者は「勝負の分かれ目」を分析し、伝える責務がある。時には選手にとって厳しい質問を投げかけることも必要だ。

 一方で敗者へのリスペクトを持った上で問い掛ける姿勢を忘れてはならない。歴史的な死闘も、敗者なしには起こりえない。その心情を推し量らなければならない。

 プロテニスの大坂(おおさか)なおみの「会見拒否」も、これまでの配慮を欠いた質問が要因の一つと言われている。取材者として、改めて襟を正した。