接種会場として提供可能な県内大学施設

 大学を会場とする新型コロナウイルスワクチンの一般接種を巡り、栃木県内10大学のうち8大学が、文部科学省の調査に接種会場として施設を提供できると回答したことが3日、各大学への取材で分かった。提供できる施設は体育館やホールなどで、接種の「打ち手」を派遣可能とする医科・看護系大学もあった。一方で運営や人材確保で大学が担う役割が示されず、情報不足を懸念する声も上がる。

 同省は5月、全国の大学に対し、接種会場の提供や担い手の派遣が可能であるかを調査した。政府は大学や企業での接種を21日から可能にすると公表し、大学では学生や教職員、周辺の学校の教職員らも接種対象とする方向で検討している。

 下野新聞社の取材では宇都宮大と宇都宮共和大、文星芸術大、帝京大、足利大、白鴎大、国際医療福祉大、獨協医大の8大学が施設提供が可能と回答した。

 宇都宮大は峰キャンパスの大学会館の提供が可能で、全国で先行してワクチン接種が実施される大学の一つとなる見込みだ。同省調査には学生の夏休み中に提供できると答えたが、「学生や教職員が対象ならば、期間の前倒しも検討できる」としている。

 宇都宮共和大の那須キャンパス体育館は5月23日から那須塩原市の集団接種会場となっている。高齢者に続く一般接種会場としても貸し出す方向で検討中だ。

 医療従事者向け接種会場となったアリーナ施設を提供できるとした獨協医大は、付属病院の医師・看護師の派遣も可能と回答。足利大も看護師などの資格を持つ教員を派遣可能と答えたが、それぞれ派遣依頼はまだないという。

 白鴎大はJR小山駅東口に近く、交通の便が良い本キャンパスのホールについて、平日に提供可能とした。担当者は「地域に貢献できるなら活用してほしい」と話すが、会場運営などに関する情報がないため準備にも入れないという。

 一方、作新学院大は候補となる体育館に空調設備がないことなどから「提供できない」と回答。「保留」と答えた自治医大の担当者は「協力はしたいが、誰が主体となるのか分からない」と困惑気味に話した。

 県保健福祉部の海老名英治(えびなえいじ)部長は3日の県議会代表質問で「(大学での接種で)県の役割は国が今後示すと聞いている。内容を把握して、さらに接種が加速化するように県も最大限取り組む」と述べた。