「盆栽」は今や「BONSAI」として世界的に愛好されている。禅の精神や凝縮された世界といった、丹精された美しさに哲学的な意味を見いだす人もいる▼50年目の節目を迎えた「鹿沼さつき祭り」が、鹿沼市花木センターを主会場に7日まで開催されている。コロナ禍で昨年は中止となり、2年ぶりに国内最高峰と言われるサツキ盆栽の展示などを堪能できる▼市史によると、サツキ栽培は鹿沼土との相性の良さなどから地場産業として根付いていった。昭和40年代に入ると爆発的な人気を博した。1972(昭和47)年に第1回のさつき祭りが開かれ、3年後には同センターがオープンした▼一時期のブームはすさまじく、1本数万円の値が付いた刺し芽もあったという。“さつき御殿”も出現した。まさにバブルと言える時代だった▼その後は価格の落ち込みに伴い生産者は減少したものの、根強いファンに支えられ、近年は海外に販路を広げている。実に2千種以上とされ、欧州や中国からも買い手が訪れる。一昨年はローマ法王にサツキ盆栽を贈呈した▼1本の木に多彩な花を咲かせるサツキは、社会の多様性と融和を象徴するとか。新型コロナの恐怖の中で、世界は人種間の分断が深刻化している。鹿沼の「SATSUKI」が、差別解消のメッセージになれば、すてきだ。