女性参政権行使75周年を記念したオンラインイベントが4月に開かれた。タイトルは「増やそう女性議員、つなげよう女性のチカラ」。参加女性の間で合言葉のようになったのが、「ガラスの天井」ならぬ「ガラスのげた」という表現だ▼男性たちが長い間履いてきた、目には見えない特権の「げた」を指す。一方、「ガラスの天井」は、女性の社会進出が進んでも、昇進を阻む見えない障壁が最後に存在するたとえに使われる▼日本の場合、女性がぶつかるのは、はっきりと分かる天井であり、透明なのは男性たちがこれまで履いてきた「げた」である、というのがその心だ▼医大入試の点数操作で、男性受験者が「げた」を履かされ合格していた。試験や就職、昇進だけではない。生徒会の会長選びなどでも男子が有利だという。人生のさまざまな局面で当たり前のように享受している特権に、男性は気付くべきだろう▼選挙候補者などの一定割合を女性に充てるクオータ制は、日本でも話題に上るようになった。「女性にげたを履かせるのは逆差別」とか「性別でなく、能力主義に基づくべきだ」との導入への反論が聞かれる▼だが、「げたを履いていたのは、いったいどちらなのか」「これまでは本当に能力主義だったのか」というのが、女性たちの偽らざる本音ではないだろうか。