県民に対して移動自粛などを呼び掛ける福田知事=28日夕、県庁

 栃木県は28日、新型コロナウイルス感染症対策本部会議を開き、ワクチンの大規模接種会場を6月16日に開設することを決めた。新規感染者数が高止まりし、医療提供体制への負荷が続いていることから、県民には引き続き県境をまたぐ不要不急の移動を控えることを求める。今後の感染急拡大に備えた対策費などを盛り込んだ約56億円の補正予算案を編成することも決定した。福田富一(ふくだとみかず)知事は会議後の記者会見で「ここが踏ん張りどころ。緊迫感を持って第4波と対峙(たいじ)する必要がある」と述べた。

 県独自の警戒度は5段階で真ん中の「厳重警戒」を維持する。ただ、今後感染者が急増した場合は速やかに警戒レベルを引き上げることとした。県民には、県内の移動・外出についても慎重に判断するよう継続して要請する。ワクチン接種を受けた県民にも同様の対応を求める。期間は29日~6月20日。

 27日時点の人口10万人当たりの全療養者数は18・6人、病床使用率は40・1%と14日の前回本部会議時に比べ上昇しており、医療提供体制への負荷は続いている。県の警戒度は5段階で2番目に深刻な「重点措置」に迫っており、予断を許さない状況だ。

 従来より感染力が強いとされる変異株感染の割合は、24~27日で75・8%まで上がり、従来の株からの置き換わりが進んでいる。

 福田知事は「子どもは感染しにくいと言われてきたが、小中学校でクラスター(感染者集団)が起きている。感染力の強さが見られる」との見解を示した。

 新たに編成する補正予算案では大規模接種会場の設置に12億円、感染急拡大に備えた事業者に対する営業時間短縮協力金に44億円を計上した。

 大規模接種会場での予約方法については、市町を通じた予約などを想定している。会場運営などを担う県のワクチンチームは13人増員し、6月1日から23人体制とする。入院病床は新たに39床確保し、県内の確保病床数は計448床に増えた。

 福田知事は「感染が急拡大すれば社会経済活動に影響を与える対応を検討せざるを得ない。さらなる協力をお願いしたい」と県民に対し感染防止対策を訴えた。