桜井啓一氏

 宇都宮市議らが昨年11月の栃木県知事選の告示前に福田富一(ふくだとみかず)知事への投票を呼び掛ける違法文書を配布したとされる事件で、公選法違反(法定外文書頒布、事前運動)罪で略式起訴された桜井啓一(さくらいけいいち)前議長(59)に対し、宇都宮簡裁が罰金30万円、公民権停止4年の略式命令を出していたことが27日、分かった。桜井前議長が下野新聞社の取材に明らかにし、命令を受け入れるかどうかを検討するとした。

 桜井前議長は取材に対し「当時、議長の立場にありながら、このような結果となり、改めておわび申し上げる」と話した。

 略式命令に不服がある場合、2週間以内に簡裁へ正式裁判を申し立てることができる。公民権停止4年が確定すると、2023年春に行われる次の市議選を含め停止期間中の選挙に立候補することはできない。

 正式裁判を申し立てるかどうかについて、桜井前議長は「関係者や支援者と相談して、決めたい」と述べた。

 宇都宮区検は11日、同罪で桜井前議長と福田知事の次男陽(あきら)前市議(37)、元国会議員秘書男性(57)の3人を略式起訴していた。

 起訴状などによると、3人は共謀し知事選告示前の昨年10月25日、宇都宮工業高野球部OB会員の有権者に向けて「2023年に100周年を迎える母校の式典に来賓として迎えられるよう支援と協力をお願いします」などと、同校OBである福田知事への投票を呼び掛ける法定外選挙運動文書を12通郵送した、とされる。

 県警は昨年12月、公選法違反容疑で同OB会関係者を含めた6人を書類送検した。桜井前議長と陽前市議は4月に議員辞職した。OB会関係者3人は不起訴処分となった。