全国のモニタリング検査の実施状況

モニタリング検査で説明を受ける市民ら=2月22日午後、宇都宮市内

全国のモニタリング検査の実施状況 モニタリング検査で説明を受ける市民ら=2月22日午後、宇都宮市内

 新型コロナウイルスの感染再拡大の兆候をつかむため、政府が2月から栃木県の繁華街などで実施している無症状者対象の「モニタリング検査」で、26日現在の陽性者は2人にとどまっている。全国に先駆けて本県で始まり3カ月が過ぎたが、検査件数は伸び悩み、足元の「第4波」の予兆の把握には役立っていない。有効性への疑問とともに、手法の改善を求める声も上がっている。

 モニタリング検査は、感染リスクが高い繁華街のほか、協力を申し出た学校や事業者などで検査キットを無料配布し、唾液を採取して返送してもらう仕組み。無症状の感染者がどの程度いるかなどを把握し、予兆があれば先手で強い措置を講じるのが狙いだ。

 緊急事態宣言の解除後の再拡大対策に掲げられ、約90億円が投じられている。全国で1日1万件の検査を目標に、まずは2回目の緊急事態宣言が発令された11都府県が対象となった。最初に解除された本県は2月22日から検査が始まった。

 宇都宮市と小山市の市街地でキットを配布。学校や企業などの集団検査も合わせ、これまでに計6190件を配った。配布数は3月下旬までは500件以上だったのに対し、5月以降は半分程度に。都道府県別の実際の検査数は公表されていないが、伸び悩んでいるのが実情だ。

 県内では変異株の流行により感染者が増加し、「第4波のうねりの中にある」(県感染症対策課)とされるものの、陽性者は2人のみ。検査の対象地域は14都道府県に拡大し、大都市では検査件数が増えつつあるが、爆発的な感染が起きた大阪ではその予兆を検査で探知できなかった。

 福田富一(ふくだとみかず)知事は今月14日の記者会見で「全国の感染状況に比べると、モニタリング検査で確認される陽性者は非常に少ない」と効果を疑問視。「やり方を工夫すべきだと国に要請している」と述べた。

 一方、政府は若い世代の感染者の多さを踏まえ、今後は大学や学校の運動部、保育士、幼稚園教諭などに重点を置き、検査を進める方針。西村康稔(にしむらやすとし)経済再生担当相は25日の記者会見で「若い人が多い職場や学校に焦点を当てて検査を拡充させたい」との方針を示した。