スマートフォンやパソコンで記事を読むのが日常になった。ニュースメディアが乱立する今、中身は残念ながら玉石混交である。まず引っかかるのが見出しだ▼うそ情報で呼び込む手法だったり、言葉遣いがおかしかったり。古田徹也東大准教授(倫理学)が雑誌「アステイオン」最新号で、この問題を取り上げている。時評「ニュースの見出しと『言葉の実習』」。共感できる一文だった▼実際に目にした「列車が人と接触して死亡」という見出しを引用し、言葉の配置や助詞の使い方、「てにをは」に問題があるものが多いと嘆く。その上で、公権力との対峙(たいじ)もあり得るメディアが「誤解や混乱を招く表現を多用してしまっては、自らの言葉への信頼を失うことにもなりかねない」と厳しい▼さらに「言葉の型崩れ」が広がっていることに言及。会員制交流サイト(SNS)を含めて短い文章を書く機会が増える時代、誤解や混乱を招きにくい文章技術の実践を学校教育の中で行ってはどうかと提言する▼妙な見出しを修正したり、読点の打ち方や語句の配置、選択による変化に目を向けたりする。NIE(教育に新聞を)としても興味深いだろう▼見出しは記事のエッセンスだ。ネットでは最初に目に飛び込んでくる。このリテラシーを向上させ、見出しの妙を楽しめるようにしたい。