アカガネネクイハムシ(うじいえ自然に親しむ会提供)

アカガネネクイハムシ(うじいえ自然に親しむ会提供)が確認された向溜

アカガネネクイハムシ(うじいえ自然に親しむ会提供) アカガネネクイハムシ(うじいえ自然に親しむ会提供)が確認された向溜

 【さくら】市内の自然保護団体「うじいえ自然に親しむ会」(高橋伸拓(たかはしのぶひろ)会長)は今月、下河戸のため池「向溜(むかいだめ)」で調査を行い、希少種の昆虫「アカガネネクイハムシ」を確認した。台風による生息環境の変化が危惧されていた中、2年ぶりの発見となった。高橋会長は「池の上流部から、わずかな水の流入が確認できた。生息環境は縮小しているものの、どうにか保たれている」と分析する。

 赤銅色のアカガネネクイハムシは、県版レッドリストの絶滅危惧Ⅰ類に指定されている昆虫で、体長6~9ミリほど。幼虫はフトイという植物の根を食べて成長し、成虫はその花に集まる。フトイはツクモとも呼ばれ、湖沼や河川の浅瀬に生えるカヤツリグサ科の多年草。高さは約2メートルで、太くて丸い茎の先端部にこの時季、白い花を咲かせる。

 向溜は2019年の台風19号で決壊し、フトイの約8割が倒壊したという。改修工事が行われたが、昨年の同会の現地調査時は開花時期を過ぎていたため、アカガネネクイハムシの確認はできなかった。

 今年の現地調査は今月1、5、16日に設定。16日は雨天中止となったが、1日は会員ら4人が長靴や胴長姿で湿地帯に分け入った。上流部に小規模ながら自生するフトイの開花は順調で、アカガネネクイハムシを4個体確認した。5日も交尾中の1ペアを確認した。発見した木村健司(きむらけんじ)副会長(44)は「継続的な繁殖が確認できたことは、非常に大きな成果」と振り返る。

 高橋会長は「今後はいかに生息環境を回復していくかが課題となりそう」と話している。