財政難に直面する国際観光都市日光。市の将来を左右する次の大事な4年間は、民間の経営感覚をアピールした粉川昭一(こなかわしょういち)氏(57)に託された。

 自民推薦で組織力を得た阿部哲夫(あべてつお)氏(71)に対し、粉川氏は盟友の大嶋氏や阿部博美(あべひろみ)県議の支持者らによる草の根運動で挑んだ。

 知名度不足などから劣勢とみられていたが、「変化の激しい時代には若さが必要」と幅広い年齢層の有権者から期待を集めた。支持者の結束は日に日に強まり終盤に猛追。大逆転した。

 雪辱を期した阿部氏は年齢への懸念などを払拭(ふっしょく)できず、大票田を中心に支持が伸び悩んだ。次期衆院選に向け、自民党の戦略に少なからず影響を与えそうだ。

 市長選は新型コロナウイルス対策と財政再建が争点となったが、政策論争はかみ合わなかった。コロナ禍や短期決戦も影響し、投票率低迷の一因となったことは否めない。

 財政再建には厳しい判断が迫られ、保守分裂で生じたしこりも懸念される。政策に掲げた地域や官民の連携を実現させ、コロナ禍に苦しむ観光都市に活路を開いてほしい。「世界の日光」の未来が手腕にかかっている。