宇都宮市役所

 宇都宮市は本年度、未成年の子を育てる市内のひとり親世帯を対象に、養育費確保支援事業を始めた。養育費の取り決めに関する公正証書などの作成や、保証に必要となる費用の一部を補助する。離婚した父親から養育費を受け取れている母子家庭が少ない現状を踏まえ、国が昨年度始めたモデル事業の一つで、栃木県内の自治体で実施するのは初めて。

 市は事業費として本年度当初予算に約480万円を計上した。市子ども家庭課は「子どもの健やかな成長のためにも、養育費の取り決めをしてほしい」と促している。

 養育費は子どもが自立するために必要な衣食住の費用や教育費、医療費などを指す。金額や支払期間は離婚時または離婚後でも決めることができる。

 厚生労働省の調査によると、養育費が払われている母子家庭の割合は24.3%にとどまる。養育費の不払いは、日本のひとり親世帯の貧困率が48.1%と深刻な状態にある要因の一つに挙げられている。

 同課によると、市内で児童扶養手当を受給するひとり親約4100世帯のうち、養育費を年に1回でも受け取れているのは2割に満たない。

 養育費の取り決めに関する公正証書や調停調書、確定判決があれば、養育費が支払われなくなった場合に相手の財産を差し押さえるなどして回収する強制執行が可能となる。

 市の支援事業では、これらの公正証書の作成や調停申し立て、裁判にかかる手数料などの費用として、子ども1人につき4万3千円まで補助する。このほか養育費が途絶えた場合、相手に代わって立て替える保証会社と契約する際の保証料として、子ども1人につき5万円まで補助する。

 父子家庭も対象。いずれも補助は1回限り。今年4月1日以降の文書作成や契約が対象となる。