新型コロナウイルスの電子顕微鏡写真(米国立アレルギー感染症研究所提供)

 業務中の新型コロナウイルス感染を理由とする栃木県内の労災請求は7日時点で49件あり、うち医療、福祉分野の従事者が9割を占めたことが18日、栃木労働局への取材で分かった。両分野の事業所から、コロナ感染を含む従業員の傷病報告(休業4日以上)が増えており、1~4月は135件で前年同期比3.6倍となり、労働局は「現場の過酷さが表れている」と指摘。県内の累計感染者約6千人を踏まえ「労災請求はまだ少ない」とし、相談を呼び掛けている。

 労働局によると、新型コロナ感染を理由とする医療機関や社会福祉施設の勤務者からの労災請求は43件。残り6件は「その他の業種」としている。計49件のうち7日時点で労災認定されたのは20件。認定された人の業種内訳は明らかにしていない。

 県内では昨年12月1日、居酒屋勤務の女性2人がコロナ感染による労災認定を初めて受けたが、感染が理由の請求は当時2人を含む3件にとどまっていた。年明け以降の感染拡大が影響し、請求が増えたとみられる。

 各事業所から報告されている傷病報告のまとめによると、1~4月、主に医療機関である医療保健業と社会福祉施設からの報告数計135件は前年同期の38件から大幅増。特に医療保健業は5件から66件に激増し、社会福祉施設も32件から69件となった。

 労働局は「感染者に直接対応するため労働環境の感染リスクが高い」とし、実際に社会福祉施設などではクラスター(感染者集団)の発生に伴う従業員の感染も見られるという。医療現場は感染拡大で体制が逼迫し、消毒対応など業務が増えたことによって、転倒などによるけがも発生しているとしている。

 労災認定されると、受診費用の負担措置や休業補償給付を受けられる。「事業所内で起きた感染では労災請求できることを周知したい」とした。相談は、最寄りの労働基準監督署や労働局労災補償課(028・634・9118)へ。