登山に訪れた皇太子、皇太子妃時代の新天皇、皇后両陛下。右端が案内した大高さん(大高さん提供)

 那須山岳救助隊の隊長を30年以上にわたって務め、9日に病気のため92歳で亡くなった栃木県那須町湯本、旅館経営大高登(おおたかのぼる)さんの葬場祭(告別式)が17日、那須塩原市内で営まれた。天皇陛下が皇太子時代に来県した際に何度も那須連山の案内役を任されるなど、「山の達人」として信頼された大高さん。告別式には救助隊の後輩や山岳会の仲間らが参列し、故人をしのんだ。

 同町出身の大高さんは1962年から那須山岳会に所属。72年には地元の警察・消防関係者らでつくる那須山岳救助隊の結成に関わり、86年~2018年まで隊長として遭難者らの救助に当たった。1992年からは10回ほど、皇太子、皇太子妃時代の天皇、皇后両陛下らご一家の登山を案内。那須御用邸にも何度か招かれた。

 告別式で喪主を務めた長男誠一(せいいち)さん(58)によると、17日早朝に天皇陛下の侍従から電話があり、「陛下のお言葉」としてお悔やみが伝えられたという。告別式では山岳会や救助隊の関係者をはじめ、大高さんと親交のあった人たちが参列。ひつぎには大高さんが生前愛用していた山岳会会員の青色のシャツが収められた。

 那須岳(茶臼岳)で2017年3月に起きた雪崩事故では救助隊長として指揮を執り、その後事故防止へ警鐘を鳴らした大高さん。

 弔辞を読んだ那須山岳救助隊の渡部逸郎(わたなべいつろう)隊長(73)は、「大高さんは山を知り尽くした山の達人。救助する際は真っ先に陣頭指揮を執り、救助者はもちろん、隊員の安全にも気を配っていた。何でもできて代わりのいない人だった」と別れを惜しんだ。

 那須山岳会の大森基男(おおもりみちお)会長(72)は「互いの実家が近く、子どものころからスキーや山登りなど、いろいろなことを教わり面倒を見てもらった。心の中で『お世話になりました』と声を掛けた」としみじみ語った。