立候補者の街頭演説に耳を傾ける支持者ら=16日午前、日光市内(写真は一部加工しています)

 16日告示された日光市長選は新人2人による一騎打ちの戦いに突入した。新型コロナウイルス禍で苦境が長引く観光都市は、財政再建や人口減少など課題が山積する。「まちを活性化してほしい」「円滑なワクチン接種を」。有権者からは切実な声が上がる。4月以降、県内3市長選の投票率はいずれも過去最低を更新しており、短期決戦の今回も投票率の行方が懸念される。

 「急な選挙で候補者がどんな人か分からない。政策を分かりやすく訴えてほしい」。同市松原町で物産店を営む山本巧子(やまもとよしこ)さん(82)は話す。誘客が難しい状況が続く観光業界。「世界の日光として観光に力を入れてほしい。実情に目を向けてくれるリーダーに期待したい」

 ワクチン接種への関心も高い。同市芹沼、美容室経営大橋佐智子(おおはしさちこ)さん(43)は「接種の予約などで苦労している市民が多い。不安や混乱がないようにしてくれる人がいい」。観光施設で働く同市瀬川、会社員追川真純(おいかわますみ)さん(24)も「仕事で幅広い年代のお客さまと接するので順調に接種を進めてほしい」と訴える。 

 「若い人がもう少し活躍できるまちづくりをしてほしい」と求めるのは同市吉沢、団体職員宇賀神昇(うがじんのぼる)さん(41)。コロナ禍で政策を直接聞く場が限られるため「政策だけで判断するのが難しい」とも話す。

 日光市長選は2006年の合併以降、計4回行われ、投票率は06年の72・91%から下がり続けている。前回18年は4人が立候補する激戦だったものの、過去最低の59・87%だった。

 市長急逝に伴い短期決戦となった今回は「投票率向上への取り組みを準備するのが難しい」(市選管)。さらなる低下を懸念する声も上がる中、両陣営とも「集会は開けない」として、街頭演説や会員制交流サイト(SNS)の活用などで政策の浸透を図る。