巣から下ろされたコウノトリのひな(小山市提供写真)

巣から下ろしたコウノトリの足の部位を計測する船越さん(小山市提供写真)

取材に応じる船越さん

巣から下ろされたコウノトリのひな(小山市提供写真) 巣から下ろしたコウノトリの足の部位を計測する船越さん(小山市提供写真) 取材に応じる船越さん

 栃木県小山市下生井の渡良瀬遊水地で10日行われた国の特別天然記念物コウノトリのひなの足輪装着作業で、作業に携わった関係者は1羽のひなの大きさに驚かされた。生後42日目とみられるが、既に母鳥と同じぐらいの大きさに成長していた。専門家は「豊かな採餌環境の証」と、渡良瀬遊水地のポテンシャルの高さに太鼓判を押す。

 コウノトリは雌雄で体格差はあるが、足輪を着ける生後41~45日目は4~4・5キログラムが標準とされる。この日足輪が付けられた2羽のうち、1羽は既に4・9キログラムもあった。もう1羽は3・5キログラムと小さめだが生育に問題はなさそうという。

 体重こそ親鳥に近くなったが、ひなの姿はまだ子どもらしさが残る。作業に携わった兵庫県立コウノトリの郷公園主任飼育員の船越稔(ふなこしみのる)さん(57)は「羽が伸びきっていないし、脚もまだ伸びる」と話す。ひなが巣立ちを迎えるのは1カ月ほど先。10日ほどすると巣の中でジャンプし、巣立ちの練習を始めるという。

 足輪装着は、まだ巣の中でひながおとなしくしている時期を見計らって実行する。今回の捕獲時も2羽のひなは、巣にうずくまってじっとしていた。毎年50羽ほどのひなに足輪を装着する船越さんは「今回は非常にスムーズだった」と話した。

 この時期のコウノトリのひなは1日に1キログラムも餌を食べるという。渡良瀬遊水地は2年連続で東日本唯一の野外繁殖地となった。船越さんは「餌が豊富であればこそ、この結果。コウノトリがもっと増える可能性がある」と話していた。