岩田藤七「貝『波の響』(1976年、高さ16・0センチ、最大径37・6センチ)

岩田久利「コンポート」(1983年、高さ24・8センチ、径29・1センチ、町田市立博物館蔵)

岩田藤七「貝『波の響』(1976年、高さ16・0センチ、最大径37・6センチ) 岩田久利「コンポート」(1983年、高さ24・8センチ、径29・1センチ、町田市立博物館蔵)

 日本のガラス工芸を芸術の域に高めた岩田藤七(いわたとうしち)(1893~1980年)、息子の久利(ひさとし)(1925~94年)、久利の妻糸子(いとこ)(1922~2008年)の作品を紹介する企画展「岩田色ガラスの世界」が県立美術館で開催されている。町田市立博物館(東京)の所蔵品から約100点を厳選、色彩や造形などガラスの可能性を追求した3人の軌跡をたどっている。

 「展示作業の仕上げである『照明』が今回ほど楽しかったことはない」と同展担当の鈴木(すずき)さとみ主任研究員。スポットを当てた途端、息を吹き込まれたかのように輝き出す作品たちに、学芸員としての醍醐味(だいごみ)を味わったという。

 光の捉え方にも作品の特徴があり、ガラスの透光性、透過光を意識した藤七作品は、一見単色のようだが複雑で幻想的な色彩が浮かび上がり、久利作品は発色のよいガラスに金箔(きんぱく)片などを織り込むことで、反射光による演出を意図していると解説する。