新型コロナウイルスの県内クラスターの発生場所割合

 県内で発生した新型コロナウイルスのクラスター(感染者集団)が計60件に上ったことが4日、県のまとめで分かった。発生場所では「職場」(同僚・通勤含む)が最も多く20件、次いで福祉関連の「施設」で18件。全体を通じて、基本的な感染防止対策の不徹底などが原因として指摘されている。4月以降はこれまでになかった学校や保育施設でも相次いで発生。感染力が強く、重症化率も高いとされる変異株も急速な広がりをみせており、県は改めて注意を呼び掛けている。

 県内で初めてクラスターが発生したのは昨年6月、宇都宮市のキャバクラ店。以降、クラスター関連の感染者は他県確認分を含め952人に上り、全体の2割弱を占める。発生場所は職場、施設に続き、病院6件、飲食店、ホームパーティー各5件など。

 最も規模が拡大したのは鹿沼市の鹿沼病院で、患者と職員の計143人が感染した。次いで宇都宮市の病院が72人、佐野市の障害者施設53人、足利市の高齢者施設52人など。

 月別では本県に2度目の緊急事態宣言が発令された1月が最多で12件、昨年12月と今年3月が各11件、今年4月が9件と続く。最近は発生場所が多様化するとともに、小山市や真岡市では変異株感染者が含まれるクラスターも確認された。

 原因について完全に特定できないケースもあるが、狭い環境での密集や換気不良、マスクなしでの会話、体調不良時の勤務などが指摘されている。

 県は4月、クラスターを事前に食い止める対策として、発生地域での高齢者や障害者施設、精神科病院の職員らの検査を強化。補正予算で約2億5千万円を計上した。無症状者らを早期に把握し、重症化しやすい高齢者らの感染を早期に防ぐ狙いもある。

 県感染症対策課の担当者は、県内のクラスター発生状況について「夜の街から家庭に広がり、医療機関や施設などに持ち込まれている」と分析し、「改めて一人一人がリスクを減らす行動を心掛けてほしい」と話している。