県教委は本年度、工業や農業、商業などを教える県立の専門高校15校に、デジタル技術を取り入れた実習設備を一斉に整備する。最新機器を使った授業を通じて、IT化に即応できる人材育成を後押しする。文部科学省の「スマート専門高校」事業を活用し、例年の20倍ほどの規模となる約8億1300万円を予算化した。

 同事業は国の2020年度第3次補正予算で特別措置として決定した。技術革新やポストコロナ社会を見据え、産業教育装置の購入を国が緊急的に支援する。この制度の活用などで、実際に県が負担する額は3分の1程度となる見込み。

 県教委が職業系専門学科を設置している23校に設備の購入希望を募ったところ、工業、農業、商業、家庭、福祉、水産の各学科を持つ15校から応募があり、全校への設置を予定している。

 工業科では、高精度の加工を行う「マシニングセンタ」と呼ばれる工作装置を整備する。農業科はハウス内の温度や湿度を自動管理する環境制御機器、商業科では商取引のシミュレーションを行う実習室、オフィスを想定した授業のためのパソコンなどを購入する。最も高額な機器は1台数千万円ほどという。

 専門高校で使われる設備は高額な物が多く、買い替えや新品購入のハードルは高い。県教委によると、老朽化対策として確保しているのは年によって異なるものの例年、総額3~4千万円程度。今回は国の事業を活用して一気に整備する。

 県教委高校教育課は「実際の職場により近い実習が可能になる。地域の産業をけん引する人材の育成につなげたい」としている。