オンラインで取材に応じた原告女性。「憲法は人々の生活や生き方が保障される拠り所であってほしい」と話した=4月29日

 「同性婚」を巡り、性的少数者(LGBTQ)の権利保護につながる司法判断が出始めた。同性婚について札幌地裁は3月、認めないことを「違憲」とし、宇都宮地裁真岡支部は2019年、「事実婚」と認定。政府が「憲法は同性婚を想定していない」との立場を堅持する中、当事者は「当たり前の権利を認めてほしい」と訴える。その声は憲法の在り方への問題提起だ。5月3日は憲法記念日。

 事実婚を認定した真岡支部判決は今年3月、最高裁で確定した。元パートナーの不貞行為で関係が破綻したとして提訴した原告の30代女性が、取材に応じた。

 元パートナーと約7年間同居し、米国で結婚証明書を取得。結婚式も挙げ、2人で暮らす家も買った。精子提供者を募り、子どもを持とうと計画していた。

 「家やお金のことを整理したいと思い、始めた裁判だった」と振り返る。信頼していたパートナーを失った人間として当然の選択肢だった。被告に損害賠償を命じた真岡支部の判決時、「事実婚と認められ、私の人生の一部が認められたと救われる思い」とした。

 政府は同性婚の是非について「家族の在り方の根幹に関わる問題で、極めて慎重な検討を要する」との見解を示している。

 女性は、現状を「不平等」と言う。「一人一人の生き方、幸せが保障されるよう憲法を使ってほしい」と望む。

 宇都宮市出身のLGBTQ当事者(30)=神奈川県在住=は「自分で選んだわけでないことで、結婚という大きな制度が使えない」と話す。結婚は「異性愛者にしか認められていない特権」と映る。

 体は女性、性自認は「決めていない」、相手の性別に関係なく恋愛感情を抱く「パンセクシュアル」だ。

 憲法24条の「婚姻は両性の合意のみに基づく」の「両性」。「男女を指しているとか解釈の議論にとらわれて、同性婚を認めるかどうかの本質的な議論が足止めされている」と感じる。

 付き合って数年になるパートナーの性別は男性だ。戸籍上は男女だから結婚が選べる。でも、同性婚が認められずにいる人を思うと、結婚を選ぶことに後ろめたさがある。

 同性婚を認めないことを「不合理な差別で法の下の平等に反する」と札幌地裁が判示したことについて、「国が同性婚を認めれば『法の下の平等』を示すチャンスになる」と考える。「なぜやらないのだろう」