マウスガードを上の歯にはめた状態

歯にぴったりと合うカスタムメイドのマウスガード

印南秀之常務理事

マウスガードを上の歯にはめた状態 歯にぴったりと合うカスタムメイドのマウスガード 印南秀之常務理事

 スポーツ競技中の歯の破損や口の中のけがを防ぐマウスガード。ラグビーや格闘技の選手が着用しているのを見たことがあるのではないか。一方で歯の損傷は、バスケットボールやサッカー、野球など、子どもに身近な競技での発生も少なくない。スポーツデンティストの印南秀之(いんなみひでゆき)県歯科医師会常務理事は「歯は健康な生活を送る上で重要な役割を持つ。競技によっては小学生のうちからマウスガードを装着してほしい」と呼び掛けている。

 マウスガードは柔らかい樹脂製で、主に上の歯に着ける。ボクシングではマウスピースと呼ぶ。効果は(1)歯や周囲組織の外傷軽減・予防(2)強いかみしめによる歯のすり減り防止(3)他選手への傷害防止(4)顎の関節保護(5)安心してプレーできる心理的効果(6)体幹安定やパフォーマンス向上(7)歯が折れた際の治療費より経済的-など。脳震とうの予防・軽減効果もあると言われている。

■義務化の競技も

 スポーツショップなどで買える市販品と、歯科医院で歯型を採って作るカスタムメイドがある。市販品は、お湯で柔らかくして、かんで成形する。安く簡単に入手できるが、緩衝性能が劣り、適合が不十分で違和感があったり、発音しにくかったりする。カスタムメイドは歯にぴたりと合い高い緩衝性能があるが、自費診療となるため5千~1万円ほどかかる。

 国内では空手やラクロス、ラグビーなどで着用義務化、もしくは年齢区分による一部義務化がなされている。だが、日本スポーツ振興センターの調査によると、中学生が学校管理下での練習・競技中に歯が折れる事故が多いのは、バスケットボール、バレーボール、サッカー・フットサル、テニス、野球など。小学生にも身近な競技だが、マウスガード装着は義務化されていない。歯の安全は個人の判断に委ねられているのが実情だ。