ご主人、お嫁さん、旦那さん…。ジェンダー平等が叫ばれる中、会話で相手の配偶者をどう呼べばよいか困ることがある。パートナーとかお連れ合いさまと呼ぶとよいと聞いたが、しっくりこない▼かつての家制度や主従関係を感じさせない日本語が見当たらない。米国で別姓を選び結婚した映画プロデューサーの柏木規与子(かしわぎきよこ)さんは、帰国のたび夫の姓の「想田さん」とか「奥さん」と呼ばれ、戸惑うという。「妻は一歩下がっていないといけない感じ」▼日本は世界で唯一、同姓にしないと結婚が認められない。選択的夫婦別姓は世論調査で賛成派が反対派を上回り、国連の委員会からも法改正を勧告されているが、実現に至らない▼足利市出身で小紙「日曜論壇」執筆者でもある映画監督の想田和弘(そうだかずひろ)さんは、2人にとって同姓は「どちらかに吸収合併される」ようだと表現した▼2人が日本でも婚姻関係にあることの確認を求めた訴訟の判決で、東京地裁は「婚姻は有効」と認めた。当然だろう。法改正を巡る議論に一石を投じたのは間違いない▼憲法は男女や夫婦などさまざまな平等を保障するが、法律や制度はちゃんと社会の変化に追い付いているのか。常識や伝統という言葉で憲法をないがしろにしていないか。一人一人が振り返ってみることが大切だ。きょう3日は憲法記念日。