緊急小口資金貸し付けを申請したネパール人の20代男性留学生=4月上旬、宇都宮市内

 新型コロナウイルスの影響で休業した人などを支援する国の小口資金の緊急貸し付けは、昨年末までの栃木県内申請のうち4割、約5千件を外国人が占めたことが1日までに、県社会福祉協議会のまとめで分かった。外国人労働者や留学生は在留資格で働ける職種が決まっているなど制約があり、コロナのひずみを強く受けた形だ。

 緊急貸し付けは県社協が実施主体、市町社協が申請窓口となり、昨年3月25日に受け付けが始まった。休業者向けの「緊急小口資金」と失業者向けの「総合支援資金」があり、貸付上限額は合わせて200万円。いずれも無利子で保証人は不要だ。

 県内の外国人人口比率は約2.2%だが、申請では4割だった。県社協によると、6~8月に外国人の申請が多く全体の5~7割を占めた。出身地では県内居住者が多いアジア・南米が目立った。

 外国人が県内最多の宇都宮市(約9千人)では留学生の申請が目立ち、2番目の小山市(約7千人)と人口比率が最も高い真岡市(約4.3%)では非正規で働く外国人の申請が多い。大半が「アルバイトが減った」「雇い止めにあった」などの理由だ。

 宇都宮市内の日本語専門学校に通うネパール人の20代男性留学生はコロナで国の親からの仕送りが止まり、バイトが減って学費の支払いに悩んだ。「学費は資金でまかなう」と言い「専門学校卒業後、日本の大学でIT(情報技術)を学び母国で生かす」との夢をつないだ。

 同市内で食料品店を営むネパール人の20代男性は「店の売り上げが激減し、妻のバイトが無くなった。生活は貸し付けを頼るしかなかった」と明かした。

 多くの外国人は在留資格で職種が限定され、原則、別の職種で働くことができない。留学生は労働時間が週28時間以内となるなど制約がある。

 返済は来年4月以降に始まる予定だが、状況が改善している保証はない。各社協の担当者は「返済が始まるまでに返せる状況になるのか」「200万円を借りたら普通に働いても返すのは大変」などと案じる。国は住民税非課税など返済免除の対象となる条件を定めた。一方、申請時期や手続きなどは検討中で、具体化されていない。