沖縄のシンボル、首里城の火災から1年半。2026年以降とされる復元に先駆けて、日光市の東武ワールドスクウェアが焼失前の壮麗な姿を展示物として再現し、先月公開した▼25分の1サイズとはいえ、迫力を感じさせる大きさだ。沖縄からは地元紙が取材に訪れたほか、玉城(たまき)デニー知事が「首里城復興への機運を高める」とコメントを寄せ、注目度の高さをうかがわせた▼同園では精巧な展示物に目を奪われがちだが、忘れてはならないのが周りを取り囲む樹木である。モミジや桜、松、杉、ケヤキなど約2万本の天然木が、庭園や里山を演出するほか、展示エリアを区分している▼展示物の大きさに合わせ高さ、太さを抑えなければならず、4人の植栽担当が毎日、手入れする。鉢植えのように動かすことができず、「狭い空間で展示物に気を遣いながらの作業」と、25年のベテラン若井哲朗(わかいてつろう)さん(57)。無理な体勢を強いられるなど苦労は多い▼公開された首里城には、沖縄県の団体から贈られたソテツが植えられた。温暖な地域の植物であり、鬼怒川の寒い冬場をどう乗り越えるのか、今から頭を悩ませているという▼同園に限らず県内には、隠れた魅力を持つ観光スポットが数多くある。遠出がはばかられる昨今、これまでとは違った視点で、近場を訪れてはいかがだろう。