きょう29日は「昭和の日」。「激動の日々を経て復興を遂げた昭和の時代を顧み、国の将来に思いをいたす」日である▼今の名前になって15年になる。長く親しんだ「天皇誕生日」の名残が消えない上、一時期は「みどりの日」だったこともあり、すぐに名前が浮かばない昭和世代も多いだろう▼筆者も間もなく還暦を迎える。昭和世代を自認するが、実際に昭和を過ごした時間は人生の半分にも満たない。しかもまだ世間の動きに関心が薄かった年代である。激動と評される時代への理解は深くはない▼国民が貧しさや不自由さに耐え、明るい未来を信じて突き進んだ戦後に限っても、終戦直後の混乱期、焼け野原からの復興期は生まれる前。東京五輪や高度成長期は幼すぎた。せいぜい実感として記憶にあるのはバブル経済くらいだ▼そんなダイナミズムあふれる時代を、社会の一員として最前線で支えたのは、同じ昭和生まれでも70代以上となるだろうか。この世代の県内推計人口は約43万8千人。まだまだ現役で活躍している人も多いだろうし、何より今の日本を築き上げた経験と記憶は、社会の貴重な財産である▼国難とも言われるコロナ禍をはじめ、山積する問題を乗り越えるため、新たな時代を切り開いたバイタリティーに学ぶことは多い。身の回りにたくさんの手本がある。