12カ所の子どもの家では、従来の運営委員会による運営が続いている(本文と写真は関係ありません)

 宇都宮市が子どもの家(学童保育)の指定管理者として予定していた事業者「明日葉」(東京)の指定を取り消してから1カ月が過ぎた。同社が今月から運営を引き継ぐはずだった12施設の一部では、急転直下の方針転換に伴う混乱が今も続いている。市は人手不足を補うため各施設に補助員1人を配置することにしたが、27日までに3カ所では配置できていない。支援員らの負担感は重く「実際は現場に丸投げだ」と不満もくすぶる。

 市は今月から市内全67施設の運営を一斉に指定管理者に移行するはずだった。しかし、明日葉の指定取り消しによって「陽北・豊郷」「陽南・横川」の両ブロックの12施設は、保護者や地域住民らでつくる運営委員会に委託する従来の方式を続けることになった。

 市教委によると、4月1日現在、12施設で受け入れている児童は1183人。1施設当たりの平均児童数は約100人に上る。支援員数は計109人で「大多数が3月からの継続雇用」という。

 市が同社の指定取り消しを公表したのは3月17日。運営委は、わずか2週間で新年度の体制を整えなくてはならなかった。ある運営委会長は「指定管理者が一手に運営を引き受けるはずだったので、4月1日以降は人員確保を含め、よく分からない状態だった。急に運営委に任されても準備が追い付かず、特に新1年生の受け入れが重なった3月末から4月にかけては現場で大混乱が起きた」と話す。

 支援員不足のまま、新年度に入った施設もある。140人を超える児童を預かっている施設では本来10人の正支援員が必要だが、6人しか確保できていない。運営委役員は訴える。「何とかやりくりしているが、現場は手いっぱいだ」。別の施設の支援員女性は「この子たちをほったらかしにはできない。使命感だけで動いている」と明かす。

 運営委や支援員らの負担を軽減するため、市は事務作業をサポートする補助員の配置を急ぐ。ただ補助員の指導は各施設の運営委や支援員に委ねられているのが現状で、ある運営委会長は「『市が責任を持って取り組む』と言うが、あまりにも現場に任せ過ぎではないか」とこぼす。

 12施設について市は本年度、指定管理者を選び直す方向で公募や選定のスケジュールを検討している。市教委生涯学習課は「必要に応じ、市の職員が現場のサポートに入るなど教育委員会を挙げてバックアップしていきたい」としている。