案内する席を制限している黒潮鮨西川田店。入り口前に看板を置いて周知している=6月29日午後、宇都宮市西川田町

 県内の飲食店で人手不足が深刻化している。ランチの営業をやめたり、受け入れる客数を制限したりせざるを得ない店が増加。求人を出しても応募がない状況に、頭を抱える経営者は少なくない。5月の県内有効求人倍率(季節調整値)は11年ぶりの高水準となる1.44倍。求職と求人のミスマッチが起きており「拘束時間が長い」などのイメージが強い飲食業に、正社員のほかアルバイトも集まりにくい状態になっている。

 「人気があったから、やめたくなかった」。宇都宮市南一の沢町の創作居酒屋「豚鳥(とんちょう)」の片岡翔(かたおかしょう)店長(33)は残念がる。行列ができるほどの好評だったランチを昨年3月、打ち切った。担当の正社員2人が退職し、人手不足に陥ったからだ。

 求人はランチを始めた3年前から出していた。時給は2千円。それでも問い合わせはなく、ぎりぎりの人数でランチを続けてきた。「『お金じゃない』という考え方なのだと思う」。夜間に営業を絞った片岡店長は頭を抱える。

 同市内ですし店2店舗を運営する「黒潮鮨(ずし)」は、5月上旬から週末は客を案内する席を制限し営業している。求人を出しているが、辞めた社員やバイトの穴は埋められなかった。客席制限で帰ってしまう客もいるが、小野惣也(おのそうや)社長(41)は「仕方のないこと」と話す。