再選を目指した石坂真一(いしざかしんいち)氏(65)が辛勝した真岡市長選。市民の厳しい評価を謙虚に受け止めなければならない。

 選挙戦は新庁舎周辺整備事業の是非などが争点となった。「44億円かかる図書館建設等の中止で市民に5万円給付」を掲げ急きょ出馬した相手候補に石坂氏陣営は危機感を募らせ、事業の財源や将来性を法定ビラや街頭演説で訴えて強く反論したが、防戦を強いられた。

 44億円は事業計画時に市が試算した想定事業費で、2020年度に限度額39億円へ縮減され議会も承認している。誤った数字などに基づく訴えが争点化し、政策論争がかみ合わなかったのは残念で、低投票率の一因になった点は否めない。

 選挙戦後半は新型コロナウイルス対策を含むこれまでの取り組みや新工業団地造成といった2期目の公約を前面に打ち出した石坂氏。組織の引き締めを図ったが、緩みも指摘された。

 公約とした公共交通ネットワークの整備や衰退する中心市街地の活性化は、少子高齢対策などと並ぶ市政の喫緊の課題であり、計画や施策を着実に実行し確かな道筋を示したい。「選ばれる都市(まち) もおか」の実現へ手腕が問われている。