ハッシュタグを活用した友達づくりの輪が広がっている=今月中旬、宇都宮市

 コロナ禍で大学の新入生歓迎会などのイベントが激減する中、会員制交流サイト(SNS)のハッシュタグ(検索目印)の「#春から○○大」を使って、友達づくりをする学生が増えている。このタグを付けた投稿でつながりを求める動きは、大学の授業がオンライン化した昨年春に急増。今年の春も増加傾向にあり、出会いの季節の在り方が変わりつつある。

 ツイッターなどでハッシュタグを投稿に付けることで、検索が容易になる仕組み。例えば、「入学式で話せる人いませんか? #春から宇大」と投稿することで、入学する宇大生同士が、お互いを見つけたり、つながったりしやすくなる。

 県内各大学で対面授業が再開しつつあるが、ビラ配りや大人数での会食が禁止されているなど制限はいまだ多い。

 作新学院大人間文化学部2年河合瑠果(かわいるか)さん(19)は「対面授業になっても感染対策で隣と間を空けて座っていて話し掛けづらいから、SNSできっかけをつくるしかない」と話す。

 3月末、千葉県から宇大に進学した女性(18)がツイッターで入学式当日の同行者を募集すると、まだ見ぬ同級生たちのアカウントから、共感を示す30の「いいね」が送られた。

 式当日はツイッターでやりとりした初対面の同級生2人と行動。「知らない人ばかりで不安だったから、一緒にいられる人がいて安心した」と振り返った。

 同タグの付いた県内大学生のツイッター投稿は、2017年ごろから宇大生を中心に確認できる。だが、昨年春以降は個人やサークルに限らず大学広報も同タグで情報を発信するなど利用層の拡大が目立つ。

 NPO法人とちぎユースサポーターズネットワーク(宇都宮市)の岩井俊宗(いわいとしむね)代表理事(38)は「友達と会えない反動や情報交換のためネットでつながりを持ち、大学など現実の場で同じ属性を持つ人とゆるくつながっている」と分析する。

 SNSの活用は友達づくりにとどまらない。福岡県出身の宇大地域デザイン科学部2年阿波浩子(あわひろこ)さん(19)は昨年春、同タグで宇都宮市内のコミュニティーFM「ミヤラジ」の学生向け番組「つぶつぶ大学放送部」を見つけた。現在は番組のパーソナリティーを務め、充実した毎日を過ごしている。「SNSがなかったら、私は今この場にいません」と笑顔を見せた。

 一方で、カルト宗教団体がSNSを通じて学生を勧誘するなど、学生がトラブルに巻き込まれた事例もある。各大学は学生に向けてSNSを利用する際の注意を呼び掛けている。