「臨時」とは名ばかり、地方交付税の不足分を特例地方債で補う「臨時財政対策債(臨財債)」が21年目に入った。2001年度から3カ年度の限定とされたが、おおむね3年ごとの延長が繰り返されている▼国の財源不足で一部交付が困難な場合、不足分について地方自治体が臨財債を発行し財源に充てる。元利償還分は翌年度以降の交付税に算入されるため「地方の負担はない」仕組みだが、かつて福田富一(ふくだとみかず)知事は「毒まんじゅうでは」といぶかった▼今月から執行の本年度県当初予算では歳入の5・8%、590億円を計上している。累積額は県債残高のおよそ半分に上り、25年度には5800億円を超えるとの試算もある▼全国知事会は法定率の引き上げなど抜本的な見直しで、交付税を本来の形に戻すことを求めているものの、国の台所はさらに「火の車」だ。コロナ対策での増発もあり、国債残高見通しは22年度末、1千兆円を突破する▼現状では、残念ながら短期間で臨財債を解消するのは、極めて困難と言わざるを得ない。いたずらに事を急げば、むしろ地方への弊害も懸念される。そうなってはやぶ蛇だ▼小泉純一郎(こいずみじゅんいちろう)政権下では、国庫補助金を削減して地方へ3兆円の税源移譲がされた一方、交付税は5兆円も減らされた。“悪夢”はもうない、と信じてはいるのだが。