JAを退職し、生産農家に転職

 足利市では、1990年ごろからトルコギキョウの栽培が始まりました。以来、異業種からの新規就農者も増え、現在県下で1位の生産量を誇ります。JA足利花き部会の会員17名のうち、13名はトルコギキョウの生産者です。

 松本 猛さん(34歳、島田町)は、2年前に新規就農してトルコギキョウの生産を始めました。前職はJA足利の職員で、営農渉外(TAC)として地域農業の担い手を訪問し、意見や要望を聞き、対応する業務を担当していました

 「JA職員としてトルコギキョウの生産者を訪問したり、花き部会の勉強会に参加するなかで、しだいに会員の人柄やトルコギキョウの面白さに魅せられていきました。生産者にならないかと誘われた時、不安はありましたが、新規就農することに迷いはなかったです」と話す松本さん。

 すべてが手探りの1年目は、花き部会の先輩から栽培指導を受け、失敗しながらもなんとか乗り越えました。苗から育てて初めて収穫できたときの喜びは格別だったそうです。花き部会は、月1回程度の勉強会を開催し、新規就農者には栽培のノウハウをていねいに教えてくれるので、栽培経験が浅い自分には大きな助けになっていると松本さんは言います。

就農2年目で農林水産大臣賞を受賞

 トルコギキョウは、連作障害を起こしやすいので、苗を定植する前の土壌づくりが重要です。このほか、温度管理や水やりの頻度など細心の注意が必要です。また、出来、不出来が天候に大きく左右されるので、1週間先、1か月先の天候を見越して事前に対応する経験と判断力が求められます。

 「トルコギキョウには、十数種類の品種があり、ハウス内の同じ環境下で同時に栽培します。各品種にはいろいろな特性があるので、全ての品種が自分の思い通りにいくことはありません。そこがトルコギキョウのむずかしさでもあり、面白さでもあります」。

 今年2月、松本さんにうれしい知らせが届きました。「栃木県花の展覧会」の審査会で、松本さんが出展したトルコギキョウが一般切花部門において特別賞最高の農林水産大臣賞を受賞しました。就農からわずか2年目での快挙でした。

 これから5月の母の日に向けて、収穫・出荷作業が忙しくなり、6月下旬まで出荷作業が続きます。

 「これからもっと経験を積んで、お客様に喜んでもらえる品質の高いトルコギキョウを生産していきたいです」と松本さんは意気込みます。

【問い合わせ】JA足利0284・41・7151(代表)

雑学辞典

名前の由来 トルコギキョウは、北アメリカ原産の植物で、トルコ原産のキキョウではありません。日本でトルコギキョウと呼ばれている理由には、「花の形がトルコ人のターバンのようで、咲き方がキキョウに似ているから」などの説がありますが、はっきりしていません。

人気の品種は 日本では品種改良が盛んで、数多くの品種があります。人気なのは、ジュリアスラベンダー、セレブクリスタル、マキアライトピンクなどです。