1935(昭和10)年に建てられた鹿沼市の北小は、現役の木造校舎としては国内最大級という。東日本大震災での被害はなかったが、耐震診断で補強が必要と判断された▼建て替えが検討されたものの歴史的な価値もあり、後世に残すことになった。2018年度から3カ年事業で、2階建ての管理教室棟など4棟で筋交いの補強や増設などが行われ、1月に完了した▼校舎中央の昇降口から入ると、正面に建築当時からの黒光りした大階段があり、歴史の重みを象徴している。天井は全体に高く、木のぬくもりを存分に感じられる▼同小の補強によって、県内の公立の小中高校、特別支援学校で、校舎の耐震化が全て終わった。体育館のつり天井落下防止対策も、日光市の三依小中学校で3月末までに新たな体育館が整備され、終了した▼学校の耐震化は、1995年の阪神・淡路大震災で多くの学校が被災したのを契機に始まり、その後制定された法律によって工事が進められてきた。県教委施設課の担当者は「大規模な工事ができるのは夏休みぐらいだった」と作業の難しさを明かす▼学校は児童生徒が一日の大半を過ごす学習・生活の場であるとともに、災害発生時には地域住民の避難所となるなど重要な役割を担っている。26年かかった校舎の耐震化100%達成は感慨深い。