1990年に当時1歳9カ月で新三種混合(MMR)ワクチンを接種後、意識障害やけいれんなどを発症した宇都宮市の女性(29)が、予防接種法に基づく医療費などの不支給処分を不服として県に審査請求した結果、県が「(接種との)因果関係を否定できない」として不支給処分の一部を取り消す決定をしたことが15日、分かった。決定は14日付。

 県によると、予防接種の審査請求で処分が覆ったのは県内で初めて。今後、厚生労働省も審査するが、都道府県の決定が重視されるのが一般的で医療費支給が認められる可能性が高い。

 関係者によると、女性は90年5月に定期接種で同ワクチンを接種。1週間から10日後に高熱が続き、意識障害やけいれんなどを発症。同年秋にてんかんと診断され、知的障害が残った。

 麻疹、流行性耳下腺炎、風疹を合わせた同ワクチンは副反応報告が全国で相次ぎ、宇都宮市は89年11月に市内の医療機関に使用の原則中止を求めていたが、女性の両親は医師から「1本で三つの病気が予防できる」と勧められたという。

 両親は接種と症状の因果関係を疑ったが予防接種法に基づく救済制度の存在を知らず、知人の助言で2010年に市へ救済を申請。市の報告を受けた厚労省の審査会は因果関係を否定し、13年7月に市を通じて不支給が通知された。

 両親らは行政不服審査法に基づき同年9月、県に審査請求した。