西谷健次教授

HSPの特徴

西谷健次教授 HSPの特徴

 さまざまな書籍やメディアで昨今、ハイリー・センシティブ・パーソン(HSP)という言葉が取り上げられている。医学的な診断名ではなく、米国の心理学者が提唱した概念で、生まれつき感受性が強く外部からの刺激に敏感な人という意味だ。繊細すぎるために、落ち込みやすくささいなことも気にしてしまうという。作新学院大人間文化学部の西谷健次(にしたにけんじ)教授(56)=教育心理学=に、その特徴や対処法などを聞いた。

 HSPは、1990年代に米国の心理学者エレイン・アーロンが提唱した。アーロンの研究によると、(1)丁寧で深い情報処理を行う(2)過剰に刺激を受ける(3)感情の反応が強く共感力が高い(4)他人の表情の変化など、ささいな刺激にも反応する-の四つの特徴がある。5人に1人にその傾向があるとされる。

■苦痛の軽減も

 西谷教授は「マイナスなイメージを持たれがちだが、HSPだからこそ、他人に気配りができたり、相手の気持ちを思いやったりすることもできる」と強調する。さらに、うまく環境や対応を変えれば、感じている苦痛を軽減できることもあるという。

 例えば光や音など、外部からの刺激に敏感すぎる場合は、眼鏡やイヤホンを用いて刺激を和らげられる。相手の感情を深読みしすぎて対人関係に疲れてしまった場合は、「その相手と距離を置いてみるのもいい」。

 最近はインターネットで検索すると、HSPに関するさまざまな情報が簡単に見つかる。中には、自分が該当するかどうかを確認できるチェックリストを公開しているページもある。

 ただ、「本来、HSPの気質が弱いのに自分でチェックして『自分はHSPだ』と過剰に思い込んでしまうこともある」と指摘。余計に「周囲を気にするようになってしまったり、外部からの刺激により過敏になってしまったりして、さらにつらくなってしまう」という。

■環境の調整を

 HSPは自分の気質を知る一つの考え方と捉え、過剰に思い込み過ぎないように注意したい。その傾向が強く、どうしても生きるのがつらいと感じたら、病院やカウンセリングへ行くのも一つの手段だ。

 日々、感じる生きづらさを解消するには、まず自分の特性や気質を知ることが大切。西谷教授は「HSPによって生きづらさを感じている人は、過敏である自分自身のことを否定するのではなく、それを受け入れた上で、自分へのケアや環境の調整を行ってほしい」と話している。