修学旅行シーズンを前に、栃木県日光市の世界遺産「日光の社寺」周辺で修学旅行生を受け入れる主要な旅館・ホテル6施設は14日までに、新型コロナウイルス対策として、旅行中に体調不良となった児童生徒の抗原検査を実施する体制を整備した。県観光交流課によると、同様の取り組みは県内で例がないという。陽性だった場合は隔離などの二次感染防止措置を早急に講じ、クラスター(感染者集団)の発生を防ぐ。

 抗原検査は、同市内を訪れる修学旅行が本格化する5月に始める。国の認可を受けた民間の検査キットを使用。唾液を採取し、約10分で感染の有無を確認することができる。PCR検査に比べて精度は若干劣るものの、コロナ感染が疑われる症状が出た場合、迅速に状態を把握できるという。

 陽性だった場合は、感染者を宿泊先で隔離。県県西健康福祉センターの指示を仰ぎ、医療機関での診断などの早急な対応を取る。

 6施設は日光地域の宿泊事業者でつくる「日光温泉旅館協同組合」に加盟し、最大収容客数は計約1千人。社寺周辺の宿泊総収容数の大半を占める。各施設の従業員も月1回程度、同じ検査を行う予定だ。

 同組合安全対策本部長で春茂登ホテルグループの根本芳彦(ねもとよしひこ)社長(63)は「体調不良がコロナによるものなのかすぐ判断でき、迅速な対応でクラスター発生などを抑えることにもつながる」と説明する。

 春茂登グループの昨年度の修学旅行受け入れ数は、コロナ禍前に比べ98%減だったという。本年度はコロナ禍前の約95%となる予約が入るなど、回復の兆しが出ている。根本社長は「今後はどうなるか分からない。多くの学校に安心して来てもらうための呼び水にしたい」と話している。