献花台に花を添える早藤課長(左)と鈴木署長=14日午前、那須塩原市あたご町

 栃木県那須塩原市(旧西那須野町)太夫塚2丁目で2001年に国際医療福祉大4年前田笑(まえだえみ)さん=当時(24)=が刺殺された事件は14日、未解決のまま20年を迎えた。県警は同日、現場付近で慰霊式を行い、情報提供を呼び掛けた。那須塩原署捜査本部は、地道に情報の掘り起こしや精査を続けるが捜査は難航。歳月の経過とともに、地域では事件の記憶が薄れている。

 前田さんは01年4月14日未明、同所のマンション自室で何者かに襲われて外に逃げ出したが、背中などを十数回刺され、約20メートル離れた借家駐車場で死亡した。

 捜査本部は当初、犯人がこの時間帯に前田さんの室内へ容易に入った上、十数回刺す強い殺意があったことなどから、顔見知りの可能性が高いとみて捜査。捜査関係者によると、近くに住む男性が容疑者として浮上し、事情を聴いたこともあったが特定には至らなかった。

 凶器の包丁は周辺の駐車場から見つかり、犯人の足跡も特定したが決め手とはなっていない。当時は防犯カメラの映像も精度が低かった。捜査関係者は「犯人に結びつく資料が少ない」とこぼす。

 捜査本部は20年間で延べ約9万6千人の捜査員を投入。現在も捜査1課の長期未解決事件捜査班と連携しながら、約30人体制で捜査を継続している。近年は捜査本部に寄せられる情報も年数件だ。

 現場付近で14日に行われた慰霊式には、捜査1課と那須塩原署から18人が参列。同課の早藤晴樹(はやふじはるき)課長と鈴木清貴(すずききよたか)署長が献花台に花を添え、前田さんの冥福を祈った。その後、署員8人が周辺のスーパーなどで広報活動を行った。

 現場はJR西那須野駅から南西に約600メートルで民家や賃貸住宅が混在している。近くに住む女性(84)は「人の入れ替わりの多い地域なので、当時を覚えている人は限られるだろう」。男性(83)は「最近は警察も話を聞きに来ないし、近所の人と事件の話も一切しないので忘れていた」と語った。

 早藤課長は「笑さんとご遺族の無念を晴らせるよう引き続き捜査を継続する。ささいな情報でも警察にご連絡を」と呼び掛けた。情報提供は同署捜査本部0287・67・0110。