「日本で一番大切にしたい会社大賞」という顕彰制度が創設されたのは2010年度。経済効果や効率などではなく、幸せやぬくもりが実感できる社会や企業をつくるのが目的だ▼「人を大切にする経営学会」が主催し、人員整理したり、仕入れ先などに一方的なコストダウンを強いたり、法定の障害者雇用率を下回ったりする会社は、応募すら認めない厳しい審査基準で運営されている▼先日、第11回の受賞者が公表され、鹿沼相互信用金庫(鹿沼市、橋本公之(はしもとたかし)理事長)が実行委員会特別賞に輝いた。大手金融機関に取引を打ち切られ経営難に陥った企業に、地域になくてはならないとして人材を派遣し、支援したことなどが評価された▼日光市の漬物会社は、東日本大震災に伴う風評被害で業績が悪化したが、同金庫がメインバンクを引き受けた。同社の土産物店を観光バスのルートに入れて観光客を呼び込むなど、きめ細かい支援で立ち直らせた▼出生数の低下や借入金の増大などで、民事再生手続きに入った鹿沼市の産婦人科医院に対しては、金融再生支援を行った。同市内で産科のある唯一の民間医療機関で、必要不可欠な存在と判断した▼橋本理事長は「行政や商工団体などとの連携で地元を守り抜きたい」と抱負を語る。地域の中小零細企業にとっては頼もしいに違いない。