出陣式の受付で来場者の検温を行う陣営関係者ら=4日午後1時35分、佐野市内

 「ミニ統一地方選」前半戦の幕開けとなる佐野市長選が4日告示され、12年ぶりの選挙戦に入った。5選を目指す現職は「経験や人脈」をアピールし、3人の新人は「世代交代」を訴える。ただ、新型コロナウイルス禍による集会自粛などの影響で「投票率が低下するのではないか」と、盛り上がりを懸念する声も出始めている。

◇特集「とちぎの選挙」

 午前9時から出陣式を行った現職岡部正英(おかべまさひで)氏(82)の陣営。後援会幹部が代わる代わる「台風災害やコロナ禍を乗り切るには実績と人脈が必要。新人にはできない」と訴えると、支持者から大きな拍手が湧いた。

 その1時間後に第一声を放った新人高際弘幸(たかぎわひろゆき)氏(64)の陣営には「20年は長すぎる。5選阻止」ののぼり旗が並んだ。「佐野市に新しい風を。変えるぞ、変えるぞ、変えるぞ」と三唱し、会場を盛り上げた。

 午前11時からの出陣式に臨んだ新人井川克彦(いがわかつひこ)氏(64)は多選の弊害を指摘。「しがらみや団体の意向で行政が動かされる古い体質を壊し、新しい佐野をつくっていこう」と声高に訴え、遊説に向かった。

 唯一、午後の開催となった新人金子裕(かねこゆたか)氏(58)の出陣式では、後援会幹部が金子氏の「若い実行力」をアピール。来賓からは「コロナ禍の後は新しい市や議会、新しい時代をつくろう」と声を張り上げた。

 各陣営は受付での検温や除菌液の用意など新型コロナ対策を取ったが、聴衆が密になる場面もみられた。

 今回はコロナ禍で有権者と接する機会が少なくなり、各陣営は「有権者の反応や動向が読み切れない」と、もどかしさも口にする。

12年前の投票率は63.15%。金子氏の選対幹部は「市議選と一緒なので60%はいきたいが、難しいかもしれない」。岡部氏の選対幹部は「あまり盛り上がりを感じないので50%台もありうる」と気をもんでいる。