観光施設や飲食店を周遊する人の姿が見られる大谷地域

 【宇都宮】市が年間観光入り込み数120万人を目指す大谷地域では近年、飲食店を中心に新規出店が相次いでいる。2023年には市営大谷駐車場に滞在型観光を活性化させる拠点施設を市が整備する予定で、地域内の周遊促進が期待される。官民によって、宇都宮を代表する観光地として変わる大谷を記者が歩いた。

 市は18年4月、大谷資料館や大谷寺といった観光施設が集中する周遊ルート付近を対象に、飲食店やホテル、物産店などの開発許可基準を緩和した。

 同月、駐車場の向かい側にパン屋「THE STANDARD BAKERS(ザ スタンダード ベイカーズ)」を開業した松本裕功(まつもとひろのり)社長(41)は「当初は飲食店が少なかった」と振り返るが、以降、駐車場の半径500メートル前後の位置にカフェやイタリアン食堂が誕生。観光施設や各店舗を周遊する人の流れもできた。

 市大谷振興室によると、出店を希望する事業者からの問い合わせが年々増えている。

 19年10月の台風19号に続き、新型コロナ感染拡大と観光地への向かい風が続くが、「多くの人の目に触れたことで店舗数拡大につながっただけでなく、地元の人の利用が定着し、観光に依存せず事業が維持できている」と松本社長。観光産業が育ちながら、地域に根付く大谷の姿を垣間見た。