足利市、渡辺崋山の絵を購入 足利五十部村の代官描いた肖像画 草雲研究にも活用

 【足利】市民文化財団は30日までに、江戸後期の代表的な文人画家渡辺崋山(わたなべかざん)が当時の足利五十部(よべ)村の代官を描いた肖像画を購入した。肖像画は「岡田東塢(おかだとうう)図」と呼ばれ、購入価格は150万円。和泉(いずみ)聡(さとし)市長は同日の定例記者会見で「崋山を尊敬していた田崎草雲(たざきそううん)の研究発展にも役立つ重要な資料。市民や子どもたちの教材としても還元できる」と期待を寄せた。

 同財団は1982年設立。市ゆかりの美術品や文化財の収集、保護などに取り組んでいる。現在は古文書や絵画など2566点を所蔵している。

 今回購入した肖像画は1831年に描かれた紙本著色で、大きさは縦16・3センチ、横19・7センチ。宇都宮市在住の所有者から「足利ゆかりの作品なので、足利に譲りたい」と市内の古書店に申し出があったことをきっかけに、1月ごろから古書店と同財団事務局が協議を重ねてきた。28日に購入。市が所蔵する崋山の絵画は3点目となった。

 崋山の旅日記「毛武游記(もうぶゆうき)」などによると、田原藩主に仕えていた崋山は旧領地調査の出張の途中で足利に立ち寄り、五十部村代官の岡田東塢と出会った。芸術や文化の話題で意気投合し、肖像画を描いて贈ったとされる。東塢と足利学校を訪れた記録などもある。