任期満了に伴い4月18日告示、25日投開票で行われる足利市長選は、いずれも無所属で現職の和泉(いずみ)聡(さとし)氏(57)、前県議で新人の早川尚秀(はやかわなおひで)氏(48)の保守系同士の一騎打ちが濃厚だ。今年で市制100周年を迎えた市の「次の100年」を占う選挙戦の焦点を探った。

耐震強度不足が指摘されている築47年の足利市庁舎

 東日本大震災から11日で10年。旧庁舎が被災した佐野市は2015年に庁舎を建て替え、今月12日には小山市新庁舎も完成した。一方、築47年の足利市庁舎は「耐震強度不足」とされたまま県内で唯一、建て替えも補強も見通せていない。

 「震度6強を超える地震に遭ったら、どうなるか分からない」。有事に防災拠点としての機能は果たせるか、市職員から不安の声が漏れる。

 大型公共施設の更新が立て込む足利市。南部クリーンセンター、斎場、市民会館は築38~55年がたつ。

 市は2019年、4月1日運用開始の消防本部庁舎を含めた「4大施設」を最短で建て替えた場合、必要な総事業費を350億円とする試算を明らかにした。230億円を市債で賄っても、25年度に基金が枯渇する恐れがあるという。危機感を市民と共有する、異例の財政指針公表だった。

 一方で、人口減少には歯止めが掛からない。繊維産業で栄えた市の人口は1990年の16万8千346人をピークに、「県内第2の都市」の座から転落した2005年以降、毎年約1千人ずつ減少。特に生産年齢人口の減少は顕著で、市税減収が避けられない。

 「次の100年」に向け、厳しい財政状況下でどう市政を導くのか。

 「まもる、そして、つなぐ」を掲げる現職の和泉(いずみ)聡(さとし)氏(57)は「予算には限りがある。国や県、団体、企業とつながり、少ない経費で大きな仕事をしてきた」と、8年間で市借入残高を884億から733億円へ圧縮した実績をアピールする。

 対する新人の前県議早川尚秀(はやかわなおひで)氏(48)は「ブレーキからアクセルへ」と訴え、国や県などとの連携を前提に、企業誘致や農林業への先進技術活用などで「足利の産業力復活」を目指す。子育て支援や移住促進、幹線道路整備なども掲げる。

 市は20年から35年間で、公共施設の延べ床面積を42.2%削減する再編計画を打ち出している。17~19年度平均の市財政力指数は0.757で、県内14市の平均0.814を下回る。身の丈にあった公共施設の在り方を模索すると同時に、未来への投資も後回しにできない。

 都内の大学に通う末広町の女性(21)は「負の遺産は残さず、若者が外から来てお金を落としてくれるようなまちがいい」と将来像を描く。7歳男児を子育て中の有楽町、会社員男性(49)は「活気を取り戻すための手法が見える候補に投じたい」と話した。

 難しいかじ取りを迫られる中、実効性ある施策を説得力をもって示せるか。有権者の目が注がれている。