専用の装置で、機械に手を挟まれる危険を疑似体験する参加者たち(足利労基署提供)

 【足利】管内の食品製造業で労働災害が増えていることを受け、足利労働基準監督署は26日、管内の食品製造業の管理者らを対象に、危険体験教育の導入研修会を開いた。職場に潜む危険を疑似体験して学ぶ同教育は、自動車関連の製造業などでは普及。しかし同労基署によると、食品製造業を対象に同教育の導入研修会を開くのは県内の労基署で初めてだという。

 同労基署管内の市内で起きた昨年の労災死傷者は、全産業で154人と前年比13人減。このうち製造業は71人で同2人減だった。一方、食品製造業に限って見ると26人で同8人増え、管内では4年2カ月ぶりの死亡災害も発生した。

 近年、食品での労災を見ると、経験1~3年の労働者が過半数を占めている。同労基署によると、食品は季節のイベントなどに伴う繁忙期を中心に経験の浅い労働者が多いことが背景にあるという。

 導入研修会は、食品製造業9社の管理者や機械メンテナンス担当者ら20人が参加した。同教育に積極的に取り組み、独自の教育施設を持つ自動車部品製造の深井製作所(大月町)で、専用装置を使い空気圧が残った機械や荷物を運ぶローラー状の台などに潜む危険を体感しながら学んだ。

 同労基署は、ソーセージを詰めた手袋や野菜を使って機械に挟まれた際の危険を疑似体験するなどの方法を提案し「食品製造業でも危険体験教育を取り入れて、労災を減らしてほしい」としている。